窓からの景色
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台風一過、透き通る青空に白い雲が流れる。
真庭市に引っ越してきて1年と半年、この風景にも慣れた。
しかし時折、広島で見ていた窓からの風景が懐かしくなることがある。
私はこの地で生まれて中学生まで過ごした。
高校、短大と進学して、家を離れ寮暮らしをしたが
相変わらず山と田んぼの景色ばかり見て過ごした。
就職してして岡山市内に住んだが、海は遠かった。
幼い頃から海に憧れた。
いつか海の見える家に住みたいと思っていた。
そんな夢がかなって、広島在住の間
住所と住み家と境遇はめまぐるしく変化したが
一貫して「海の見える家」にはこだわった。
幸いにも、その希望だけは叶えられてきた。
そのとき、その時、眺めることができるベランダからの景色に励まされた。
天気、時間と共に色をかえ、姿を変える海の景色が大好きだった。
真庭市に引っ越しを決めたとき、
「もう充分堪能したから、もういいよね」
と自分に言い聞かせた。
でも、こんな青空の日は、引っ越し前(広島)のマンションのベランダに座って秋風にふかれたい。
(今は、見知らぬ誰かが住んでいるだろうな〜)
どこでもドアとタイムマシンがあるならいいのに、
まだ私が住んでいる頃のお部屋に行って
お仕事に行っている私の代わりに、コーヒー入れてまったりするのに。