今回お世話になった低圧維持吸引機:前のブログの⑥(胸腔内に管を入れて、持続的に胸腔内に-10cmH2O程度の陰圧をかける器機=肺がつぶれるのを防ぎます)
まず、何故これが必要なのか?
*******原理*************
胸腔内(肺の入っている胸の部分です)は常に陰圧になってて、横隔膜と肋骨挙筋により体積が変化する事で肺の中に空気を出し入れして呼吸しています、(肺自身が中から空気が入ってふくれるのではなく、外から引っ張られてふくれる)
従って、ドレン(脇に穴をあけて胸腔内に管を入れています)を吸引する際もこの陰圧は維持されなくてはいけません。
その為の圧力調整は、ボトルに仕掛けがしてあります。ボトルは胸腔に繋がるチューブのほかに、調整可能な小さい穴があけてあって、そこからも空気が流れ込みます。(埃や雑菌が入らないようにフィルターも入ってます)ポンプで引く速さとこの小さい穴から空気が入る速さの差で一定の陰圧を維持します。
水が入ってるのは、その陰圧の程度を判るようにする為で、その水が上下するのは、胸腔の体積変化の反映です。呼気時には胸腔体積は呼吸運動により押し縮められますので、実際に肺がちぢむまでの間、少しだけ胸腔の内圧が上がり、ボトルの内部の圧力も上がるのでボトル側の水面が下がります。吸気時は反対です。
結論からいうと ドレーンが入っている間、私の肺が自力で膨らめない間、肺を膨らませて維持してくれるのです!
前回の腹腔ドレーンより管径は一回り太いです(8mmくらいかな)管は脇に開けた穴から入っているのですが、背中あたりで肋骨の間を通っているため体位によっては管が肋骨にあたって痛いです、今回の痛いの9割がこの痛み、おかげで痛み止めの注射を朝昼晩とお願いしていました。あとこれかなり重い、台車をつけてもらってはいるもののどこに行くのも一緒なので。ひたすらごろごろごろごろ!
********手術3日目*********
「今日外そうか!」
朝から吸引の管を止めて2時間待機、自力で肺が膨らみを保てるかをレントゲンでチェック。大丈夫を確認してお昼すぎ、抜いてもらいました。実はこのときまで管が脇から入っていることに気づいてなかった(背中が痛かったのでそっちから入っているとばかり、、)穴は糸とノリで塞ぎ。30分後に再度レントゲンで肺がちゃんと膨らんでいるかチェック。翌朝もレントゲンでチェックした結果。無事肺は自立成功!!
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